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宇宙船地球号という大和魂について [試論]

バックミンスター・フラーの『宇宙船地球号操縦マニュアル』という書物から
抜粋します。※ちくま文芸文庫版ならば123頁あたり※
『現在および将来失業中の人間に対して 研究と開発のために、
 いや ただ考えるだけでいいから 生涯に亘る奨励金を出せばよい。
 人は思い切って真実を考え
 生活の権利を失う恐れなしに その考えに従がって行動することが
 できなければならない。
 この心の奨励金を使って 人は科学的な探求や実験的なプロトタイプの
 開発を推し進め加速させることが許される。
 研究や開発の為に あるいは 偏らない思考のために
 たとえば 10万人の人間を雇えば そのうちの一人が
 新機軸を切り拓き 他の9万9千9十9人分の奨励金よりも
 大きな実りを引出してくれるかもしれない』

この文章を読んだ時に 私は大いに和する魂の基である
和を以て貴しとすの一条を思い出さずにいられなかった。
聖徳太子は 本当に有能な者の才質を見出し それを活かすために
まず嫉妬心と闘え!と解き明かしていく。個々がその克己に及んで
其々の得意を本当に有能なたった一人を活かす為に
最大限其々の持てる力を発揮すればよい、と。

勿論抜粋した文章だけを読めば 多くの人は「自分は理系じゃないから」と
拒絶反応を示すだろう。しかしこの書物(Operating manual for Spaceship EARTH)を読めば お分かりになるだろう。
しかも我が国は未曾有の大地震と大津波、そして原発事故を去年体験している。
我々の国だけの問題ではない 全人類の生き残りに関わる思考を究める事を
政治家や官僚にだけ恃んでいてはどうにもならないというもどかしさを感じているはずなのだから
新しい人類の文明とは何かを 自らの思考によって自ら思い描くべきであろう。
『宇宙船地球号操縦マニュアル』は1969年に米国で発表されている。その数年後に起こるスリーマイル島原発事故など既に織り込み済みの如く 原発は元より化石燃料に頼らなくとも風力 太陽光 波などの再生利用可能なエネルギーによってこの同じ宇宙船に乗り込む世界中の人類全てが 高い生活水準で生きて行ける可能性を実に鮮明にしかも合理的に語り明かしている!
希望という感情を教育してくれること請け合いだ。

 マクルーハンがフラーを「現代のレオナルドダヴィンチ」と評しているように
1969年に発表したこの書物でもコンピューターやインターネットによる
「より少ないモノでより多くを成し得る」原理原則によって人類文明の変化を
予測してもいる。レオナルドダヴィンチ同様、フラーも正統な教育を受けていない。
レオナルドは受けたくても受けられなかった家庭の事情があったが
フラーは一度ハーバードに入るけれど 「専門家ばか」にはなりたくないという信念を主張し放校され 復学したが やはり無理だと自主退学する始末だ。

 ジョン・レノンを平和ボケとかビートルズ成金の優雅な平和論と腐すのは
余り知能が高いとはいえない。おそらくジョンはフラーに触発されていたのだ。
そしてカート・ヴォネガットもこのバックミンスター・フラーという
奇妙なハーバード自主退学者をモデルにして『ローズウォーターさん あなたに神の御恵みを』や『ジェイル・バード』を書いているふしを私は見逃せないと思うのだ。
そしてヴォネガットのハネーに群がる蜂のようにマネーに群がる人間たちの習性について書かれた『God beless you! Mr.ROSEWATER』が フラーへのオマージュであると私が思い込むのは 上記ハネーに云々に符合する フラーの『クリティカル・パス』におけるプリセッションを説明する一文に「ハネーを目がけて何故蜂どもは
直角に花弁に図体を突っ込むか」それは「植物と蜂の染色体上の申し合わせ」
と解説している部分を読んだからである。
又 マネーとは 中央銀行と各銀行間における手形再割引の係数操作によって
捏造された経済指標の数値データでしかない という分析は
先週の土曜だったかNHKの『日本国債』という番組でも同様の説明をしていた。
IT企業のアンチャンが シナジー効果と口にしたり ロジスティックを経営学用語として
遣うのだが それらもフラーが1940年代に公言していた影響下にある。シナジーとは相乗効果ぐらいに遣うが
フラーはもっと大切な文明構築上の動体説明に使用している。ロジスティックは 兵站である。
戦争における兵器と兵員の調達 運搬 備蓄 活用戦術ぐらいで古くから使われているが
フラーは 軍人だったころ兵站分析部隊にいたのでロジスティックを再生エネルギーや
エコロジーがどのように実際的に可能であり可能にしていく方法論を語る際に戦場を例にして説明し、口癖のように用いる。面白いことにフラーの抜きん出た技量を一番高く買ったのは米国陸海軍であるのだが
フラーは 戦争ほどこの地球号を操縦するにあたって、エネルギーや資源を無駄遣いはないと指摘し
その無駄遣いをなくすためには 国家そのものを世界中から無くし
世界人類立法行政機関がひとつだけあればよい と 優れた唯物論者は述べる。
フラーは ひたすら「効率よくこの星からの恩恵を活用する術を確立したら
さぁて 宇宙全体における地球号の役割をそろそろ人類が宇宙から読み解き 
その役割を果たそうじゃないか」と呼びかけている。

最も優れた唯物論者は 数学物理学的仮説実験を基にして超物質的メタフィジカルなマインドという人間の人間たる由縁を発揮する能力にやがて飛翔する道筋=Critical Pathをも書き残してくれている。
前にも書いたように 最も優れた唯物論者(自然観察から原理を解読する者)は
天がける唯識論者になる。釈尊を教え(お経のこと)殊更 法華経は因果律を通して宇宙の中の人間世界を絢爛たるファンタジーのようにしながら解き明かしているのだがそれらをもっと具体的に記述できるようには 未だ私の学習は熟していない。

エラースプルモワ!とはこういう時に遣うんだろう・・・ 


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ふくろう


こんばんわ、ふくろうです。

「宇宙船地球号操縦マニュアル」、おもしろそうなので図書館で探して読んでみます。
私は仏教はどうも苦手で、法華経のこともぜんぜん知りません。
具体的に記述されている本があったら、ぜひ読んでみたいです。

それでは、エイシュンさんも良いお年を


by ふくろう (2012-12-29 01:01) 

エイシュン

ふくろう様 お久しぶりです。
私もそれほど仏教に詳しいわけではないですけれど
大法輪閣の『法華経入門』という本は 座右の書にしております。
それと 大胆で衝撃的だったのは 渡辺照宏さんの
『新 釈尊伝』(ちくま文芸文庫)でした。この先生の法華経解釈は
かなり仏教シンパシーベッタリでなく クールです。
仏教を宗教というより思想哲学としてとらえる姿勢ですので
ふくろうさん向きかもしれません。
又 私は ルドルフ・シュタイナーのたとえば『第五福音書』から
太陽霊信仰→キリストという解釈を読んでいて法華経へと向かった経緯がございます。これは飽くまで私の個人的な体験ですのでご参考までに敢えて正直に申し上げたいと思います。
by エイシュン (2012-12-29 10:00) 

エイシュン

ふくろう様

そうそう

ふくろう様も 良いお年をお迎えください。
by エイシュン (2012-12-29 11:03) 

ふくろう


いろいろと本を紹介して頂き、ありがとうございます。
そうなんです、あまり宗教、宗教したものはだめなんです。
ありがとうございました。
この前、図書館で数学者の岡潔さんの本を読んでいた時、
「 真、善、美、そして 妙」が大切。と書いてあるのを読んで、
そういえば、この世界は、妙にできていると思って、
今、妙という言葉に関心をもっています。
エイシュンさんの本も期待してますから、
がんばってくださいね。

by ふくろう (2012-12-30 02:32) 

エイシュン

岡潔さんですかぁ 私も読んでみたいと思います。
いつも素敵なご示唆賜り ありがたいです!
これからも よろしくお願いいたします。

by エイシュン (2012-12-30 09:54) 

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